歯周病の治療方法

Periodontal disease

歯周病の治療方法|八王子で歯周病治療なら山田雄一歯科医院

歯周病の治療方法

How to treat periodontal disease

歯周病は状態に応じて軽度、中等度、重度の3段階に分類され、治療方法はどれくらい歯周病が進行しているかによって変わります。 進行に合わせて適切な治療を行うことが大切です。

歯周病の治療

歯周病の治療は、歯科医師による検査・診断を経て開始されます。
内容は「歯周基本治療」「歯周外科治療」「口腔機能回復治療」「メインテナンス※」にわけられ、ステップごとに再度の検査(再評価)を挟んで治療効果を確認します。
歯周病の原因は、歯に付着したプラーク(歯垢)であり、プラークを除去しなければ歯周病の進行を食い止めることができません。そこで治療では、歯周病の元となるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」に主眼が置かれます。患者さんご自身が行う「セルフケア(ブラッシング)」と、歯科医院で行う専門的な「プロフェッショナルケア」の両軸で進めます。
「歯周基本治療」は、軽度の歯肉炎の段階でも、中度、あるいは重度に進行している場合にも共通する治療です。歯肉炎や軽い歯周病であればプラークや歯石を取り除くプロフェッショナルケアを主体とした歯周基本治療だけでも治ることもあります。一方、歯周基本治療だけでは取り除くことができない歯肉の奥にたまった汚れなどには、「歯周外科治療」が検討されます。
治療後、再検査で改善が確認できれば、メインテナンスに移行します。改善が認められない場合は再治療というように、治るまで治療と検査を繰り返します。

※メインテナンス:虫歯や歯周病などを再発させず、口内の健康な状態を維持していくための定期的な治療

歯周基本治療

歯周基本治療は、歯周病に罹患している原因を根本から改善し、できるだけ正常な口腔環境を作ることを言います。その後の歯周外科手術が必要な場合に手術を成功に導くため、リスクを減らす目的のためにも行われる治療です。

<歯周基本治療で行う内容>

動機づけ(モチベーション)
歯周病を改善しその後の進行を食い止めるために、患者さんに歯周病が起こる原因を理解してもらい、自分自身で口腔内の衛生管理をしてもらうよう動機づけを行います。
ブラッシング指導とセルフケア
プラークの除去と予防のために正しいブラッシングができるよう認定衛生士が指導します。歯周病を悪化させないための生活習慣や食習慣での注意点もお伝えします。
プロフェッショナルケア
セルフケアでは取りきれなかった歯に残ったプラークや歯石、沈着物などを専用の器具を使って除去する治療です。
歯周外科治療

歯周基本治療の後の再評価で、歯石が歯周ポケットの深部に入り込んでいて除去できていない場合は、歯周外科治療(フラップ手術)を行うことがあります。歯周外科治療は中度歯周病以上または、重度歯周病まで進行してしまった歯周病に対して行う外科処置です。麻酔後、歯ぐきを切開し、歯根を露出させて、歯周ポケットの奥深くにこびりついている歯石を取り除きます。また、特殊な材料を用いて部分的に失われた骨を再生させる手術(再生療法)を行う場合もあります。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われてしまった歯周組織を再生させる治療です。失われてしまった歯周組織の再生を誘導する薬剤を入れ、歯周組織の回復をさせていきます。

当院ではエムドゲインや幹細胞サイトカイン、CGF・AFGなどを駆使して、歯周組織を再生させます。詳しくは歯周組織再生治療のページをご覧ください。

歯周補綴治療

歯周病が重度の状態まで進行してしまうと歯を支える骨が溶かされ歯がグラグラしている状態になります。グラグラしている歯では、食べ物を噛むことが難しいだけでなくプラークコントロールも難しい状態です。このような状態にまで進行してしまった場合、グラグラしている歯をかぶせものによって固定し、歯を安定させることを目的とした歯周補綴治療を行います。

口腔機能回復治療

歯の土台となる歯周組織が回復した後、しっかりと「かめる」、「話せる」ようにするための治療です。必要に応じてクラウン、ブリッジ、義歯(入れ歯)を作り、かみ合わせを良くする咬合治療や矯正治療などを行います。

抜歯

歯周病が重度に進んで骨が歯根の先端まで吸収している場合には、無理に残すよりも他の歯を巻き込まないうちに抜歯をした方が良い場合があります。
重度の歯周病でも「できるだけ歯を残す」ことを目標として治療を行いますが、長い目で考えたときにどのような方法をとっても、歯を残すことのリスクが高い、または残せる見込みがない場合には抜歯を選択することがあります。
抜歯が必要な場合は患者さんにその理由をきちんと説明し、理解と同意をしていただく努力を行っています。

歯周病の進行に応じた治療

Treatment according to progression

軽度歯周病の場合

軽度歯周病の場合

軽度歯周病の治療は自宅で患者さんが行うブラッシングと、歯科医院で行うクリーニング(歯石除去)が基本です。

軽度の場合は歯周病でよく見られる「歯茎からの出血」や「寝起きで口の中がネバつく」などの自覚症状はほとんどありません。
歯周病の直接の原因は歯垢であるため、歯垢が口内に残らないように日常的にケアを行うことが大切です。
また自宅で行うセルフケアのみではどれだけブラッシングを丁寧に行っていても磨き残しが多くなってしまうことがあります。症状がないことがほとんどのため放置してしまいがちですが、定期的に歯科医院へ通院しクリーニングなどのメンテナンスを行うことで早期発見につながり進行を抑えることが可能です。

  • 歯磨き指導
  • 認定歯科衛生士によるクリーニング
  • FMD(フルマウスディスインフェクション)

中等度の歯周病の場合

中等度歯周病の場合

中度歯周病の治療は自宅でブラッシングと、歯科医院で行うクリーニング(歯石除去)に加えてFMDを行います。

中等度になると軽度の時には感じなかった「痛み」を感じるようになります。
歯ぐきの状態としては、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットが深くなり、細菌によって炎症が生じることで歯周組織が破壊されていきます。
軽度の時と比べて歯周ポケットが深くなることで歯肉で隠れている部分にも歯垢が溜まりやすくなります。
ここまで進行してしまうと深くなった歯周ポケットの中までブラッシングを行うことは難しく、歯垢に加えて歯石も溜まりやすくなっていくため専用の器具によって除去を行う必要があります。ここで放置してしまうと症状は悪化する一方ですので、適切な治療を受けることが大切です。

  • 歯磨き指導
  • 認定歯科衛生士によるクリーニング
  • FMD(フルマウスディスインフェクション)

重度の歯周病の場合

重度歯周病の場合

重度歯周病の治療は、難易度の高い治療方法も含めて複合的に進めていきます。患者さんの状態によって可能な治療の選択肢が多岐に渡るため、歯周病専門医による適切な治療が大切です。
歯の土台を失っている状態のため、基本的なプラークコントロールに加えて失った組織の回復・復元が必要となります。

歯周ポケットの深さが6mm以上になると重度歯周病と診断されます。歯を支えている顎の骨が溶かされていき、歯が抜け落ちてしまうリスクが高まります。歯茎が真っ赤に腫れて膿が出る、歯がグラグラして固いお肉などを噛むことができない、口臭がひどくなるなどの症状が見られます。 重度になったとしても、適切なセルフケアとプロケアを行い歯周組織を回復させることが必要です。
この状態まで歯周病が進行してしまうと、「歯を抜かないといけない」と言われてしまう方もいます。当院では本当に抜かなくてはいけないのかなど、歯周病専門医が患者さんのお口の状態を確認し、豊富な経験と知識から一人ひとりに合った治療法をご提案します。

  • FMD(フルマウスディスインフェクション)
  • 歯周組織再生療法
  • 歯周外科
  • 歯周補綴
  • 歯内療法
  • 抜歯